一抜け。保育園でいつも最後の最後まで居残りだったあたしは、友だちが次々《一抜け》していくのをみる度に奥歯を噛んで涙をこらえていた。そうやって奥歯を噛む方が余計に悲しくなるのも、本当はわかっていた。それでも一度も保育園の中では泣かなかった。…
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